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マーケティング戦略策定プロセスの全体像
マーケティング戦略策定プロセスの全体像とは簡単に言えばR・STP・MM(4P)・I・Cというフレームワークを決めることです STP とは、Segmentation Targeting Positioningのことです MMとはマーケティングミックスのことで4Pを最適化することです それでは具体的に俯瞰してみましょう!
早稲田MBAでマーケティングを長年教えていましたが意外とこの基本的な全体像を把握していない生徒さんが多くあらためて基本を確認することの重要性を痛感しました。
会社のマーケティング戦略の考え方と全体の手順は以下のようになります。
1 リサーチ(R)
2 ターゲットの特定(STP)
3 マーケティング・ミックス(MM 4P)
4 マーケティング戦略の目標設定と実行(I)
5 モニタリング管理(C)
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経営戦略に基づき、マーケティング戦略を策定しますが簡単に言えば「誰に、何を、どこで、いくらで、どのように売るのか」を明確化することです。順番にご説明しましょう。
1 リサーチR Research
事業を取り巻く調査・環境分析です。具体的には外部環境と内部環境を分析し、事業の強み、弱みを把握し、自社の立ち位置(ポジション)を明確化するプロセスです。経営戦略で学んだPEST分析、5Force分析、3C分析、SWOT分析等を行います。
もう少し詳しく説明しましょう。リサーチとは外部環境と内部環境を分析し、事業の強み、弱みを把握し、自社の立ち位置(ポジション)を明確化するプロセスとご説明しましたが具体的にお話ししましょう。
そもそもなぜリサーチが必要なのでしょうか?
結論から言えば「自社の強みを生かせて継続的に自社の収益を生み出す重要なターゲット顧客を見つけ出す」ためだと言えます。
あくまでも自社にとってどこを狙うのかを明らかにするためのリサーチであること、他社との競争優位を築ける顧客層を探し出すこと、どのようなニーズがあり自社はどのようにすればそのニーズに合った製品やサービスを提供できるのかを見つけ出すことであることに留意する必要があります。
たとえばコンビニエンスストアは地域ごとに品揃えを変えていますし特に都心部では100円ショップを展開して一人用の商品を数多く揃えてきました。
これは少子高齢化や核家族化という社会の大きな変化に対してミクロレベルで具体的にどのように対応しているかがわかる事例でしょう。
一方で円安の進展によるコスト高から100円ショップの経営が成り立たたなくなりつつあり、減少傾向にあることからはPEST分析のようなマクロ分析の必要性がわかります。
リサーチの具体的なプロセスは経営戦略でも説明したとおり仮説構築からはじめます。
仮説思考で学んだようにあらゆるデータを収集することは不可能ですし仮に集めても徒労に終わることでしょう。
そのためには何が問題になっているのかを明確化し、どのような調査対象にどのような調査手法を用いて何を検証するのかを決定することからはじめます。そのうえで定性分析として、PEST分析でマクロの大きな流れを掴み、PPM分析で業界の構造を確認し、さらにSWOT分析、3C分析、バリューチェーン分析で競合分析を行い、対象とする人々へのグループインタビューやアンケート調査、テストマーケティングを行います。
2 ターゲットの特定 STP
STPとは「セグメンテーションSegmentation」「ターゲティングTargeting」「ポジショニングPositioning」それぞれの頭文字を取って、「STP」と呼ばれます。
2-1 セグメンテーション Segmentation
「セグメンテーション」は、同じニーズを持つ顧客同士をグルーピングする(セグメントに分ける)ことです。市場細分化とも言われます。重要なことはセグメントで分けることでマーケティング戦略が変わるかどうか?です。もし同じ戦略で対応できるのであればわける意味はありません。機械的に20代の女性30代の女性などと分けてしまう場合がありますが、それは20代と30代の女性で自社製品の訴求方法を変える必要がある場合のみ有効なのです。市場を同質のニーズを持つ顧客毎に細分化して自社にとって意味のある層(セグメント)を特定します。 年齢性別、地域、購買行動など様々な切り口が考えられますが大切なことはニーズが同一であればわける必要はないということです。
さらにそのセグメントには十分な売上や収益が見込める規模があるか、アプローチ可能性、反応の分析可能性なども考慮する必要があります。
2-2 ターゲティング Targeting
セグメントした顧客グループのうち、どのグループを自社の顧客ターゲットにするかを決めます。ターゲットを絞ることで、経営資源を集中投下できます。顧客を絞らない方がいいのではないか?と思うかもしれませんがまずは特定顧客をターゲットにすることでそこから波及して全体マーケットを狙う方が効率的なのです。限られた経営資源を有効かつ効果的に使用するために行います。
「誰にでも」という商品は「誰からも」支持されないのです。
2-3 ポジショニングPositioning
ターゲット顧客に対して、自社の製品・サービスの明確な差別化を図ることです。ターゲットに対してどのような便益を認識してもらうのか、どのような商品の便益を明示するのか、顧客にどのように認知されたいのかを明確化することが重要です。そのターゲットに、自社製品を「独自の価値がある」と認識してもらえるよう、他社製品と差別化できる位置づけ すなわちポジションを見つけ出すことです。
その際、ポジショニングマップと呼ばれる業界を二つの軸で分析し、競合他社をプロットする図を作成することで、自社の立ち位置が明確化されるとともにどこを目指すべきかを見つけ出すことができます。ポジショニングマップをつくると、どのポジションの競合が多く、どのポジションが空いているのかがわかります。マップの2軸は、そのターゲットが重要視している軸を選ぶことですがどの2軸にするかは試行錯誤したうえでどの軸によって差異が出るかを考えて決めていきます。差異が出ない場合には軸を選びなおします。ここが一番難しいところかもしれません。
消費財のセグメンテーション基準例としては地理的軸、人口統計的軸、心理的軸、行動面の軸などがあります。ポジショニングによってMMも異なってくることに注意が必要です。
3 マーケティング・ミックス(MM 4P)
ターゲットとするセグメントに対してどのようにアプローチするかという具体的なマーケティング戦術です。4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の頭文字で、これらを整合性を持たせながら最良に組み合わせ(ミックス)ます。MMは4Pの最適化のことです。
4 マーケティングの目標設定と実行(Implementation)
実際に戦略・戦術を実行する際にどのような数値目標を設定するかを事前に決めてから実行します。
5 モニタリング管理(Control)
効果を測定し、改善するための戦略の見直しを行うことが大切です。
そのためにもあらかじめどのような指標を設定するかを決めておきます。具体的にはKSF、KGI、KPIです。
KSF(Key Success Factor)とは目標を達成するために何を行うべきかという成功要因のことです。
KGI(Key Goal Indicator)とは企業の経営戦略から導かれる達成すべき目標値のことです。
たとえば売上高や利益額になります。
KPI(Key Performance Indicator)とはKGIに影響を与える業務遂行上の指標のことで例えば新規顧客獲得数や営業職員1人当たりの契約件数などが考えられます。
マーケティング戦略策定とはR・STP・MM・I・Cを決めることと言えるでしょう。
さらに詳しくは
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