誰かに嫉妬されるというのは、それだけで嫌なものですが、仕事をしていくためにはときには嫉妬する人とも関わらなければならないこともあります。
特に、アライアンス(提携)の場合は共通の目的を達成するためにみんなで協力しなければ成功しません。
そのときに、アライアンス関係にある人が嫉妬して、敵に回ってしまった場合、仕事はうまく運ばなくなります。それを避けるには、嫉妬する人とどのようにつきあっていけばいいでしょうか。
なぜ嫉妬されるのか? 共通点があって身近な人が危ない
嫉妬とは、「自分もあの人みたいになりたい」といううらやましさが「でもその人みたいにはなれない……」というネガティブな感情に発展して、最終的には相手を憎むことです。
要するに、その人の態度が悪いから嫉妬されるということではなくて、事実に対してされるものです。態度が悪くて嫌われることはあっても、嫉妬されることはありません。
嫉妬されるということは、嫉妬された人に何か落ち度があるからされるのではないということです。そのように考えれば少しは気が楽になるのではないでしょうか。
さて、嫉妬は事実に対してされるものですが、嫉妬されるにはもうひとつの条件があります。
それは、その人と共通点があって、かつ身近にいるという条件の人です。例えば、きれいな女優さんに対して「きれいでうらやましい……」と思って嫉妬する人はいないでしょう。
なんらかの共通点がないと、人は嫉妬の対象にはしないものです。身近にいて、同じような境遇にいる場合に、「なぜ、あの人だけ……」と思うから嫉妬するのです。
自分の弱みを話す
自分がいかにだめな人間であるか、なんて話を普段からしていると、愚痴っぽいとかネガティブ思考だと思われるのがオチです。 しかし、自分に嫉妬している相手に自分の「だめぶり」を話すことは、相手の嫉妬を和らげる効果があります。あまり、意図的でもよくなくのですが、相手が嫉妬している事柄についての自分の弱みを見せるのです。
例えば、あなたがあるプロジェクトのメンバーに抜擢されてそれを嫉妬されているとします。そこであなたは、相手に「プロジェクトのメンバーを任されたが周りが優秀でついていけない」とか「自分が選ばれたのは、優秀だからではない」などと弱さを出す。すると相手は、「なんだ、あいつは優秀だと思ったけどそんなに自分と変わらないじゃないか」と思うわけです。
人間は、他人の気持ちに共感する能力を持っています。そして、なぜか人の幸せよりは、不幸に共感する気持ちの方が強いようです。そこで、自分の弱みを見せることで相手は、あなたに共感し、あなたへの嫉妬の気持ちも次第に収まってきます。
相手にメリットのある情報を流す
嫉妬する相手が敵になるのを避けるためには「私はあなたの味方ですよ」ということを示していくことが大事です。具体的には、別掲の3つ方法がありますが、最低限、相手のことをよく調べて相手が必要としている情報を流すこと、また、相手にとってのメリットを自分ができることで示していくだけでもだいぶ状況は変わります。
1相手との距離を置く
相手の嫉妬があまりに激しく、話をしても通じない人もいます。そのような人の妬みを解消するなど自分の力ではできるものではありません。ならば、無理矢理仲良くなろうとする必要はありません。そのような努力をするだけでこちらが疲れてしまい、余計なストレスをためるだけです。 そのような人と今後付き合っていっても、自分だけでなく、周りにも迷惑をかける可能性があります。思い切って人間関係から排除することも必要です。 どうしても関係が切れないのならば仕事の上の付き合いなのだと割り切って距離をおくようにしましょう。
2嫉妬されたことを喜ぶ
嫉妬とは、嫉妬する側が勝手につくりだした感情だといえます。したがって、嫉妬される側としては、最大限の努力はしますが、何をしても無駄という場合もあります。 そのようなときは、自分の考え方を変えてみるというのも一つの手です。例えば、嫉妬されたことを喜んでしまう、という考えもあります。人に嫉妬されるということは、相手があなたの持っているものの何かがうらやましい、ということです。
「人にうらやましがられる」ということは、それだけあなたに価値があるということなのです。つまり、「人間、嫉妬くらいされないようじゃだめだな」と考える。そう考えることで、自分に対して嫉妬している人を許せるような気分になるのではないでしょうか。
3仕事で成果を上げる
なぜ、人は嫉妬するのか、という話のところで、嫉妬する人は、「自分と共通点があって、かつ身近にいる人に対して一番嫉妬する」という特徴を持っていました。まさにその通りで、同じようなポジションにいるからこそ、「なぜあいつだけが……」となってしまいます。 あるいは、相手にとって「自分と共通点のある人、身近な人」ではなくなればいいという方法もあります。その方法は、仕事で成果を上げることです。あなたが嫉妬する人よりもずっと仕事で結果を出す。それを積み上げていくとあなたと相手とのポジションは変わってきます。完全にポジションが変わってしまえば相手は「自分と共通点のある人、身近な人」とは思わなくなるでしょう。すると、相手はもうあなたと競い合おうという気もなくなるかもしれません。
嫉妬されるのはあなたの責任ではないのですから前向きに捉えていきましょう!
出典 がんばらないで成果を出す37の法則ーアライアンス人間関係術ー
平野敦士カール著
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