中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)の最高財務責任者(CFO)孟晩舟氏が12月10日、対イラン経済制裁をめぐる詐欺容疑で、米政府の要請を受けたカナダ政府に拘束されました。孟容疑者はファーウェイ創業者で最高経営責任者(CEO)任正非氏の長女(離婚した元妻の子供であるために姓が異なる)です。ファーウェイといえば初任給40万円以上で話題になりましたね。
容疑は孟容疑者が香港の子会社を通じて米国と欧州連合(EU)の対イラン経済制裁を回避したことだとされています。
もし孟容疑者の身柄が米国に引き渡されて裁判で有罪となれば30年以上の禁錮刑が言い渡されるとの見方も出ています。
その後カナダのバンクーバーにある邸宅に保釈金8億5千万円相当を払い足にGPSを付けて24時間監視を受けることを条件に保釈されたとのことです。
夫と娘はバンクーバーの12億円相当の邸宅2つに住んでいるようですね。テレビで映っている家はUS$4.2 million 5億円弱とのこと。なお父親のCEOの資産は3000億円と言われています(保釈の抵当にいれるとの報道がありました)。
イラン経済制裁を回避した容疑ですがその真相はやはり5G通信網における中国とアメリカの経済戦争にあると見るべきでしょうか。
アメリカや日本を含むアメリカ同盟国では今後中国製のファーウェイとNo2の中興通訊(ZTE)の基地局は排除する方向で決まったようです。
日本でもソフトバンクのギガがCM等でも話題になりましたがこうした大容量の通信を可能にしているのが安くて高性能のファーウェイ社の基地局にあることはあまり知られていません。2020年には実現される予定だった5Gの普及にも大きな影響が出るかもしれません。
5Gとは?
総務省のHPによれば5Gの特徴について以下のように記載されていますが特徴としては 超高速、多数同時接続、超低遅延 があります。
「これまで1Gから4Gに至るまで、通信速度の向上が進んできた。5Gもより高速化を実現するものであるが、5Gはそれだけでなく、「多数同時接続」、「超低遅延」といった特徴を持っている。4Gまでが基本的に人と人とのコミュニケーションを行うためのツールとして発展してきたのに対し、5Gはあらゆるモノ・人などが繋がるIoT時代の新たなコミュニケーションツールとしての役割を果たすこととなる。
「多数同時接続」とは、基地局1台から同時に接続できる端末を従来に比べて飛躍的に増やせることである。例えば、これまでは自宅でPCやスマートフォンなど数個程度の接続だったものが、5Gにより100個程度の機器やセンサーを同時にネットに接続することができるようになる。また、情報通信研究機構(NICT)は2018年3月、実証試験において端末約2万台の同時接続を確認したと発表した15。これにより、例えば倉庫に保管された多数の物品の位置や中身の把握、また、災害時に大勢の避難者にウェアラブル端末を着けて健康状態を遠隔で確認する、といった用途への活用が見込まれる。
「超低遅延」とは、通信ネットワークにおける遅延、即ちタイムラグを極めて小さく抑えられることである。例えば、自動運転のように高い安全性が求められるものにおいては、リアルタイムでの通信が必要である。また、ロボットの遠隔制御や遠隔医療といった分野においても超低遅延の効果が発現できる。
このように、5Gは来るべきIoT時代の重要な基盤となるものである。その実現により、コミュニケーションのあり方の変化、そして新たなビジネスの進展に繋がることが期待される。」
(総務省HPより http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd133420.html)
今後期待されている自動運転やIOTなどの実現において5Gは極めて重要な次世代通信網になることがわかると思います。
ファーウェイ、そして逮捕された孟晩舟氏とはどのような会社で人物でしょうか? ファーウェイは今や世界No1の通信機器会社です。(以下Wipipedia等から)そして日本でも初任給が40万円と言う高給で話題になってことがありましたね 博士号や修士号をもった優秀な人材が殺到しているようです。
ファーウェイは、 1987年に現在CEOの任正非氏をはじめとする元人民解放軍所属の軍事技術関係者が、携帯電話のインフラ整備に必要な通信機器を開発するベンダーとして中国・深圳市に設立した民間の会社で国有企業ではありません。
小生が興銀に入行した年ですからそこから急成長して今や売り上げは約10兆円で従業員数は17万人と言われている巨大企業です。
特に研究開発費に1兆円近い投資を行っているといわれており5Gの技術では世界最先端といわれています。実際世界の基地局数は35万を超えておりアメリカの3万の10倍にものぼるとの報道もありました。
2012年に売上高でエリクソンを超えて世界最大の通信機器ベンダーとなっており、モバイル・ブロードバンド製品、モバイル・ソフトスイッチ、パケットコア製品、光ネットワーク製品では世界シェア1位であり、300近い通信事業者に製品・ソリューションを提供しており、世界トップ50事業者のうち45社がファーウェイの製品・ソリューションを使用しているとのこと。
私も以前はWifi端末はファーウェイでしたが p20 nova タブレット mate10 p20 lite など評判も良い端末が多い印象です。
孟晩舟氏とは1972年 (年齢 46歳) 北京生まれで華中科技大学を卒業後いくつかの会社で働きファーウェイには秘書として入社したそうです。
そして自分が創業者の娘であることは一切隠して働いていたとのこと。大学院にもいき勉強熱心で苦労人との評もあります。
苗字が離婚した母方を名乗っていたためにまわりも気がつかなかったのでしょうか。いずれにしろ後継者候補No1といわれています。
Sabrina Meng Wanzhou と英語では表記されています。
以上のように5Gが2020年から開始されると世の中が激変することが予想されています。そんな中で中国とアメリカの覇権争いが
勃発していてこのままではアメリカが負ける可能性が高いという危機感があったのではないかと思われます。
以前CIAにいたスノーデン氏がCIAはFacebookやメールなどから個人情報を収集していると告発して大きな話題になりましたが
中国政府がバックにおり中国の法律では民間企業をして個人情報を政府の指示で集めなければならないとされています。つまり
ファーウェイは中国政府に命じられれば基地局や端末からの情報を中国政府に渡さなければならないということでしょう。
このような情報収集戦争の中で中国が5Gで覇権を握ればアメリカの情報収集力も負ける危険性が高まるというのが今回の背景にあることは間違いないのではないでしょうか?
安くて高性能のファーウェイやZTEがアフリカなどの発展途上国ではシェアを伸ばしていくのでこの戦いは相当に熾烈なものになるでしょう
日本への影響は甚大?日本政府も基地局に関してはファーウェイなどを排除することになったようですがこれによって5Gの開始に遅れが出るかもしれません。
端末は今のところ規制されていませんが今後不買運動なども出てくるかもしれませんね。
さらに実はファーウェイ製の製品のカメラや液晶などは日本製が多いので実は日本企業にも多大な悪影響が出る危険性が高いと言えるでしょう。
アメリカと中国の貿易戦争は5Gを舞台にさらにエスカレートしていきそうでとても心配ですね。
報復として中国もカナダ人の実業家や元外交官を拘束したとの報道もあり人質外交になりつつあります。
日本は板挟みになりそうで心配ですね!
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