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スワップ取引 Swap Transaction
スワップは、「交換」という意味です。
金利スワップ取引で交換するのは、将来発生する利息です。
金利スワップは、同じ通貨で異なるタイプの利息を交換するものです。
これによってたとえば借りているローンを、変動金利から固定金利に実質変えたり、逆に固定金利を変動金利に実質変えたりすることが可能になり、金利変動リスクを回避することができるようになるのです。
たとえば銀行からお金を借りるときの借入金利には固定金利と変動金利の2種類があります。
固定金利建てで借入れた場合には将来金利が下がってもずっと高い金利を払わなければならない一方で将来金利が上がっても元の金利のままで済みます。将来支払う金利が確定できるメリットがあります。
一方変動金利で借入れた場合は、金利変動によって金利は大きく変動していきます。そのため将来支払う金利は不確定になります。これを金利スワップを使うことで変動金利のローンを効果として固定金利のローンにしたり、固定金利のローンを効果として変動金利のローンにしたりできるのです。
たとえば、A社はX銀行から変動金利で借入れていますが金利の上昇を予想しているため固定金利にしたいとしましょう。一方、B社はY銀行から固定金利で借入れをしていますが金利の下落を予想しているため変動金利にしたいとしましょう。
ここでA社とB社の間で、A社から固定金利の支払いをB社へ行い、B社から変動金利の支払いをA社に行うという金利スワップ契約を締結します。
するとA社がX銀行へ支払う変動金利の支払いとB社から受け取る変動金利については相殺できますから、A社が実質的に負担する利息はB社に対して支払う固定金利になります。
すなわち金利スワップを使うことで金利の上昇を予想するA社は変動金利から固定金利に変更することができたと言えるのです。
B社も固定金利から変動金利に実質変更できたのです。
通貨スワップ currency swap
異なる通貨間のキャッシュフローを交換する取引を、「通貨スワップ」といいます。
例えば、海外からドル建てで商品を輸入する輸入ビジネスをしている会社である場合常に為替のリスクが発生します。
円安が進めば円の価値が下がることを意味していますから同じ予算の円資金では輸入できなくなってしまいます。
この為替リスクを回避するための方法として、通常1年以内の短期の場合には為替予約、中長期の場合には通貨スワップによって輸入取引の利益を事前に確定させることができます
図のように、銀行と相対取引を行うことでドル建ての支払いを実質的に円貨での支払いに変えることができるのです。
輸出企業の場合も同様に可能です。
通常は、取引の開始時や終了時に元本の交換も行われますが、元本の交換をせずに金利部分(クーポン)だけを交換する通貨スワップは、「クーポン・スワップ」とも呼ばれます。
なお、通貨スワップも、金利スワップ同様、取引所を通さずに当事者間で直接取引を行う店頭取引(相対取引)によって行います。このため交換する期間や条件など当事者間で自由に取り決めることができます。
なお異なる意味として各国の中央銀行(日本の場合、日本銀行)が互いに協定を結ぶ「通貨スワップ協定」というものもあります。
日本と韓国の取引が有名ですが、これは自国の通貨危機が起きた際、自国通貨の預け入れと引き換えに、協定を結んだ相手国の通貨を事前に決めたレートで融通してもらる協定のことで、「通貨交換協定」とも呼ばれています。
通貨スワップ例
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